るいネットさんのサイトより
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=289512
〈転載開始〉
残留農薬の危険性を警告する記事を紹介します。
政府の定める「残留農薬基準」は、『よほどのことがない限り残留基準違反は起こらない、メーカーと農薬使用者にとってまことに都合のよい決め方』で定められた基準値で、いまアメリカや日本で急増する子どもたちの「発達障害」の原因の可能性もある。
と記事は警告しています。
以下、リベラル21「農薬類は微量・低濃度でも安全とはいえない」リンクより転載です。
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岡田幹治(フリーライター)
アクリフーズ(現マルハニチロ)群馬工場で製造された冷凍食品の農薬混入事件が発覚したのは昨年末。それから容疑者が逮捕された今年1月末にかけて、さまざまな視点から大量の報道が行われたが、どのメディアも報じなかった重要な事実がある。農薬をはじめとする有害化学物質(以下、農薬類と略す)は、政府が安全と保証している量や濃度以下でも決して安全とはいえないことだ。
この事件では冷凍食品から最大で1万5000ppm(1.5%)ものマラチオン(有機リン系農薬、商品名は「マラソン」など)が検出された。このような超高濃度汚染は、犯罪でもなければ起こりえない。しかし、普通に流通し、私たちが口にしている食品などにも危険は潜んでいる。
◆ボトル飲料を毎日1リットル近く飲み続けたら――
まず政府の定めた「残留農薬基準」(ここまでなら農薬が作物中に残っていても安全とされる濃度で、作物別に定められている)には相当に危険なものがある。
たとえばアセタミプリド(ネオニコチノイド系農薬、商品名は「モスピラン」など)のブドウへの残留基準は5ppmだが、これは体重が15キログラムの子どもが1日に300グラム(一房の半分強)食べると、急性中毒を起こす可能性がある濃度だ(注1)。
また茶葉への残留基準は、クロチアニジン(ネオニコチノイド系農薬、商品名は「ダントツ」など)が50ppm、アセタミプリドが30ppmと、欧米の基準よりはるかに高く設定されている。その影響だろう。ボトルの茶飲料(残留基準は未設定)を約3か月、毎日1リットルほど飲み続け、さらにモモとナシを食べたら、突然めまいが起き、発熱、腹痛、頭痛、胸痛などに苦しめられた30歳代の女性の症例がある。
女性の尿からネオニコチノイド系農薬の代謝物(その農薬が体内で変化したもの)が検出されたため、医師は同農薬の亜急性食中毒と診断。解毒剤を処方し、茶飲料と果物の摂取をやめるよう指導したところ、快方に向かった。
◆使う側の都合で決められる「残留農薬基準」
なぜ、このように高い基準値になるのか。農薬メーカーによる残留試験で得られた残留値のうち、もっとも高い値の約2倍(1.5~3倍)を残留基準にしているからだ。こう定めれば、よほどのことがない限り残留基準違反は起こらない。メーカーと農薬使用者にとってまことに都合のよい決め方である。
そして政府は、このように残留基準を定めても、その農薬の総残留量が、慢性毒性の指標であるADI(1日摂取許容量=注2)に日本人の平均体重(約53キログラム)をかけて算出した「摂取許容量」の80%以下になるようにしているので、安全上の問題はないと説明している。
注1 日本ではアセタミプリドのARfD(1日にこれ以上摂取すると急性中毒を起こす可能性がある量、急性中毒基準量=急性参照用量と訳されているのは誤訳)が未設定なので、EUのARfD(体重1キログラム当たり1日0.8ミリグラム)を使って計算した。日本の1~6歳の子どもの平均体重は約16キログラム。
注2 ADIは、生涯にわたって毎日摂取しても健康に悪影響はないと推定される量。
====================================================つづく
〈転載終了〉
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